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抱き締められたまま私は神林君に問う。
「私の良い所ってどこ?」
「全部」
間髪入れずに返ってきた言葉に、また全身から熱が上がった。
ちょっと冗談混じりで聞いた自分が逆に恥ずかしい。
「…ぜ…ぜんぶ………………」
口に出してもっと恥ずかしくなった。
心の中で『ギャ~~~~~~~!!』と叫んで身悶えてしまった。
「か、神林君って…私と話すと緊張するとか…言ってたよね?」
「今も…凄い緊張してる」
そう言われてそっと彼の胸に顔を寄せると、物凄い勢いで鳴る心音が聞こえてきた。
それを聞いて私も一緒に速くなる鼓動を感じた。
「…………緊張し過ぎて…倒れそう」
そう言うと
「…俺も」
神林君もそう呟いた。
それが何だか可笑しくなって二人で声を出して笑った。
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