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「おいシュウ!家に戻るぞ!」
クリスに返事をせずに四人の一番年上であるシュウの腕を掴む。
「離せよ楓にぃ!あいつらは絶対に殺してやる!」
「楓にーちゃん!」
「ママがあいつらに……!」
だがシュウは血走った目で俺を睨みながら瞳から涙を流し、年が離れていても力強い視線に一瞬圧倒されそうになる。
だが他の三人は俺を見ると泣きながらしがみつくように抱き着いてきていた。
「お前らシュウを連れて家に戻れ!」
そんな子供達に思わず怒鳴りながら家を指差す。
俺の怒声に一瞬怯えながらも三人は頷いてシュウに駆け寄った。
「シュウ!もどろっ!」
「シュウ!」
「うるせぇ!俺はあいつらは絶対に許せな――――」
突如。
轟音が響き渡った。
「はぁぁぁぁぁっ!」
――ギィィヤァァァァァァァァ!!
クリスが出現させた壁に魔物がぶつかったからだ。
「っ…………なんて馬鹿力してんの……よぉぉぉぉっ!」
その衝撃は凄まじく、俺達にまでわかるくらいの威力を持っていた。
「あんた達は早く家に戻りな!!」
そのままクリスと魔物は押し合いになり、目だけを俺達に向けて大声で怒鳴った。
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