楓の家

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チビ達が騒がしく外へ駆け出していくと、さっきの賑やかなムードとは一変し、辺りは静けさに包まれていた。 「…………」 「…………」 無言。 外からはチビ達の楽しそうな声が聞こえるが、俺とクリスは何も言わずにその楽しそうな声を聞いていた。 「これ……」 不意に、クリスが口を開く。だが少し様子がおかしく感じられた。 どこか悲しそうな。嬉しそうな。どちらとも言えない雰囲気。 「ギルドから私宛てに通達が来たんだけど……」 エプロンのポケットから一枚の紙を出して差し出してくる。 一瞬戸惑ったが、紙を受け取って目を向けた。 【通達】 クリス・ミルア。汝のギルド復帰を願う。 現在東のギルドでは上位討伐が可能な人間が著しく減少している。 理由は魔物の数。依頼の履き違え。魔物の強さによると思われる。 引退して5年もの月日が経つが再びギルドに力を貸して欲しい。 今宵、満月が顔を出した時、ギルドの者が伺いに行く。 話を聞いて欲しい。 【東ギルド本部】 「……なるほどな。」 目を通した所で紙を閉じる。 「とりあえず話だけは聞いてみようと思うんだけど……」 クリスは戸惑っているのか、視線を泳がせながら言葉を紡ぐ。
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