ボク

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誰も知らない場所。 見渡す限りの大草原にポツンと青い屋根の家が建っていた。 誰も知らない家にも朝は来た、太陽が昇り家を照らす。 しばらくすると煙突からもくもくと煙を上げた、どうやら朝食でも作り始めたようだ。 香ばしい匂いが外にまで広がってくる、通りすがりの鹿が匂いに反応して近付いていく。 他の動物たちも寄ってくる。 海を越えてきた空を舞う者、ずっとここにいた者、皆が匂いに釣られて家に集まって来た。 家の中にはどこで覚えたかもわからない鼻歌を歌いながら、美味しそうな朝食を作る『ボク』が居た。 ボクはこんがりと焼けたパンにバターを塗っている。 ボクはふと窓の外を見た、そこで皆が集まっていることに気付いた。 でも皆の分の朝食はない。
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