1人が本棚に入れています
本棚に追加
見渡す限りの青空、そしてふわふわと羊のような雲。
ボクは大草原の上を裸足で立って、太陽も月もない空を見ている。
前から吹く風が体を通り抜けていく、そんなボクはお気に入りのパジャマを着ていた。
手には熊のぬいぐるみ、ボクはどうやらボクのままの様だ。
ボクはそのまま空を見続けていた、するといつの間にか月が浮かんでいた。
青かった空も綺麗な黒へ変わり、ちらちらの星も光っている。
触れられない月はボクに向かって輝いていた、まるで触れて欲しいかのように‥。
「よっ‥」
ボクは何を思ったか月に手を伸ばし、地面を蹴り上げた。
体が浮いた。
体は落ちることなくふわふわと浮き続けている、でもそれを不思議と思わなかった。
ずっと昔から空を飛べていたような気がした。
ボクはそのまま月に向かって飛んだ、やっと触れる‥憧れの存在に。
最初のコメントを投稿しよう!