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見渡す限りの青空、そしてふわふわと羊のような雲。 ボクは大草原の上を裸足で立って、太陽も月もない空を見ている。 前から吹く風が体を通り抜けていく、そんなボクはお気に入りのパジャマを着ていた。 手には熊のぬいぐるみ、ボクはどうやらボクのままの様だ。 ボクはそのまま空を見続けていた、するといつの間にか月が浮かんでいた。 青かった空も綺麗な黒へ変わり、ちらちらの星も光っている。 触れられない月はボクに向かって輝いていた、まるで触れて欲しいかのように‥。 「よっ‥」 ボクは何を思ったか月に手を伸ばし、地面を蹴り上げた。 体が浮いた。 体は落ちることなくふわふわと浮き続けている、でもそれを不思議と思わなかった。 ずっと昔から空を飛べていたような気がした。 ボクはそのまま月に向かって飛んだ、やっと触れる‥憧れの存在に。
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