Tokyo,1999

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「別れたんだって?」 隣にきた中沢は下を向いたまま、飲んでいる焼酎だか日本酒だかを見ながら言った。 「うん。」 私は答えた。 「ゴメン。さっき聞いたんだよ。」 「別に大丈夫だよ。」 私は言った。 強がりではない。 離婚は私が望んだ事だった。 もっと早く離婚すればよかったと思っていたくらいだ。 「いつ?」 中沢がわりとプライベートな部分に踏み込んで来るのが意外だった。 彼にしては珍しく私のデリケートな問題に触れてきた。 「一年前。別れて少ししてJTC入ったの。」 と私は言った。 「何年?結婚してどれくらい?」 「3年と少し。4年弱か。」 「子供は?」 「いない。欲しくなかったの。 あのまま子供産みたくなかったから作らなかった。」 私は淡々と答えた。 特に気持ちが揺れる訳でも、触れて欲しくない訳でもなかった。
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