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「別れたんだって?」
隣にきた中沢は下を向いたまま、飲んでいる焼酎だか日本酒だかを見ながら言った。
「うん。」
私は答えた。
「ゴメン。さっき聞いたんだよ。」
「別に大丈夫だよ。」
私は言った。
強がりではない。
離婚は私が望んだ事だった。
もっと早く離婚すればよかったと思っていたくらいだ。
「いつ?」
中沢がわりとプライベートな部分に踏み込んで来るのが意外だった。
彼にしては珍しく私のデリケートな問題に触れてきた。
「一年前。別れて少ししてJTC入ったの。」
と私は言った。
「何年?結婚してどれくらい?」
「3年と少し。4年弱か。」
「子供は?」
「いない。欲しくなかったの。
あのまま子供産みたくなかったから作らなかった。」
私は淡々と答えた。
特に気持ちが揺れる訳でも、触れて欲しくない訳でもなかった。
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