Tokyo,1999

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自分の心情まで吐露していたが全く違和感がなかった。 中沢は時折、質問や相槌を挟みながら私の話を聞いていた。 彼は昔から聞き役だった。何でも話しやすかった。 「最後の頃はもう完全にルームメイト状態。朝は食べない人だったし夜は作っても食べられないって。遅すぎて体にも悪いからって外で食べて帰るようになってね。私もバイト先で仲良くしてた友達の家に入り浸りになって。そこに出入りしてた仲間と飲み歩いたり。午前様も当たり前で。 そのうち旦那が門限とか言い出したけど、その門限の時間だって言い出した当の本人はいないわけだから。守るもんかってね。」 中沢は私の脇でわりといいペースで飲んでいた。 「なんかさ。なんでこの人と一緒にいるんだろうってずっと思ってたんだ。周りのみんなにも言われた。そんなんなら別れた方がいいんじゃないのって。」 私は言った。 「変な事聞くけど、旦那と寝てた?」 中沢は聞いた。 「うん。寝てた。いつも決まった日にね。月水金はしない日、火木土はする日、みたいな感じ。日曜はね、したりしなかったり。基本はしない。」 私は言った。 「なんだよ、それ。」 中沢は困ったような顔をして言った。
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