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イミグレを抜けると空気が違った。
熱帯の夜の、どこか甘ったるい空気。
酷寒の成田を立って数時間。
異空間に降り立った。
人の流れにのって出た。
私は私を待っているはずの顔をさがした。
私が彼に気づくより先に、彼の方が私に気づいたらしい。
私が彼を見つけると軽く手を振ってにっこり笑った。
私も手を振って近づいて行った。
「ようこそ。ミキ。」
彼は言った。
「ホントに来ちゃった。」
私は少し照れて笑った。
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