Changi APT,1999

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イミグレを抜けると空気が違った。 熱帯の夜の、どこか甘ったるい空気。 酷寒の成田を立って数時間。 異空間に降り立った。 人の流れにのって出た。 私は私を待っているはずの顔をさがした。 私が彼に気づくより先に、彼の方が私に気づいたらしい。 私が彼を見つけると軽く手を振ってにっこり笑った。 私も手を振って近づいて行った。 「ようこそ。ミキ。」 彼は言った。 「ホントに来ちゃった。」 私は少し照れて笑った。
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