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中沢の後について階段を上っていった。
こじんまりしたマンションの一戸が彼の家だった。
私は中沢が玄関の鍵を開けている後ろに控えていた。
まだつきあってもいない一人暮らしの男の家に一緒に入ろうとしているのだ。
いまさらながら大胆で軽すぎる行動だと自分でも思った。
「どうぞ。入って。」
通された部屋は予想に反してわりときれいに片付いていた。
日本にいたころは何ヶ月も掃除していなくてキノコが生えそうな部屋に住んでいたと以前言ってたのをきいていたから、どんなものかと思っていたが、意外にもわりと小洒落た感じだった。
それほど広々としてはいないが、キッチンとリビングとベッドルームはそれぞれ独立していて快適そうな部屋だった。
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