Tokyo,1999

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それでも一緒の支店にいた数ヶ月は通勤時に途中でよく会って、ほとんど毎朝一緒にコンビニで買い物してから会社に行った。私にとっては気楽に会話出来る仲良い同期の友達だった。 会話出来るといっても、いつも私がベラベラと一方的に喋って、中沢が彼らしい素っ気ないコメントを返すという感じだったけれど。 朝、私が前にいる中沢を見つけると背後からワッと言ってみたり、バッグで軽く頭を叩いておどかしたりした。 それを見ていた先輩には 「お前達、仲良いな。」 と言われた。 「同期、みんな仲良いですよ。ね?中ちゃん。」 私は言った。 「うん。」 あっさりした返事。 これがいつもの中沢らしい返事。 本当に同期は仲がよかった。同期会は店でも顰蹙を買うんじゃないかというくらいいつも盛り上がった。 「いいな、そういうの。」 中途入社の先輩はそう言った。
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