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「おーい、キロム」
突然、後ろから声をかけられる。
僕は振り向いて満面の笑顔で相手に手を振る。
「やっほー、ハイネース!」
向こうの相手も僕に手をあげて答えてくれる。
僕とは感じの違う笑みを浮かべているけど、
彼は僕の友達で、ハイネス・ホールって言うんだ、
見た目は長めの藍色の髪に黄色の目、
顔立ちは、まあ普通かな、
ハイネスはかけよってきて、意地の悪そうな笑みを浮かべている。
「キロム、今日は迷子にならなかったかー?」
なんか、言われっぱなしな気がしたので、僕は頬を膨らませて『ぶうー』っとする。
「迷子になんかなってないもん!」
「へーそりゃすごいね(棒読み)」
「むー!信じてないね!」
ハイネスは誰にでも分かるくらいに流してる!僕をばかにして!
その時何故かハイネスが僕の事を哀れむように見てきたのは何でだろう?
「じゃあ今日お前は何しに来たのか教えろ」
僕は用件が言えないほどばかじゃないもん!
「買い物だよ」
「じゃあなんでお前は商店から逆方向にある家にきてんだよ……」
と、ハイネスは頭に手を置いて体で『呆れてます』と言っている。
「へ?この近くにハイネスの家があるの?」
「そうだ」
「へえ、ハイネス引っ越して来たんだ、商店が遠かったからね、さすがに不便になったの?」
「……お前にとって、俺はほぼ毎日お引っ越しをしていることになってんだな」
ハイネスががっくりと肩を落とす、何だかわからないけど、ガンバ!
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