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一人の老人が重たい足取りで城の中へと入る。
その老人は派手な服を身にまとい、高級な杖をついている。
彼は年の通り、その髪に色素はなく、シワもだいぶ目立っている。
しかし、彼の放つ威厳や眼光は、お年寄りのそれには見えない。
彼を目の前にすると、誰もが萎縮してしまう、そんな雰囲気が彼にはあった。
城の内装は白く、手入れが行き届いている。
そして、内装か白い為、老人の影は誇張するように伸び、それも老人の存在感を主張する。
カツ、カツ、と杖の音が静かな城に響き渡る。
カツ、カン、と老人が足を揃えると、前方には大きな扉、
その扉は模様がつけられ、相手を食い尽くさんばかりの迫力を放っている。
老人は、それを何の躊躇いもなく開く。
扉がギギギ、と音をたてて開かれていく、
そこには、縦二十メートル程もある大きな机、そして五つの椅子に腰かける面々がいた。
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