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「なあ、てめえはおかしいとは思わなかったのか?何故こんな小さな町ひとつにわざわざ衛兵をつけたのか」
確かに、言われてみればおかしい、
この町は、お世辞にも大きいとは言えない、
住民の顔なんてすぐに覚えられるし、売っているものだってたかが知れている。
なのに、町の中心であるルーランドは、ここは守らなくてはと言う。
娯楽も何もないこの町を、守るという。
それは何故か?
その理由を、この男は知っていると言う。
「理由は前提を取り外せば至極簡単、てめえらは国に敵とみなされてんだよ!」
それが一体何を意味するか、僕にはもう考える事ができなかった。
「敵にスパイを忍び込ませるのは、当然だ、お陰で俺たちは一人も逃がさず町民を捕まえる事ができた」
と、僕への大まかな説明が終わったところで、衛兵が町民全員を縛り上げ終わった。
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