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「無論、それだけで何もなければ偶然で片付けられたのだが……」
「他の予言も的中した、と」
憮然とした態度をロカは心がけているが、その顔からは不快感がうかがい知れる。
「偶然とは思えなくなった私は、様々な手を打った、潰れると予言された財閥に多額の援助、死ぬと予言された騎士などには護衛、果ては新しく作られる町をなくすよう、これ以上町を作るなというおふれまで出した」
そこで、ガルモは顔を伏せた、顔にはなんとも形容しがたい表情になっていた。
「結果は、どれも失敗に終わった、最悪なのは、第五の町、モーガルトの建町を止められなかった事だ」
「第五の町とは?」
ここでカーシュが会話に入ってくる、第五の町、という言葉が聞き慣れなかったのだろう。
「そういえばカーシュは日記について、詳しくは見てないのだな?」
「はい、必要のない知識と言われまして」
「構わぬよ、では、一部だけ教えよう、人類滅亡日記の内容を」
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