安西将人の物語

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「お父さん…。僕は決めたよ。お父さんの後を継ぐ」 育ててくれた親の願い それを聞かないで大学に行けば親不孝者だ 今度はお父さんやお母さんに楽してもらう番だ お父さんは僕の決意に驚き涙を流した 「将人、本当だな。本当に継いでくれるな」 「うん、僕はお父さんの後を継いで立派なたい焼き屋になるよ」 それを聞いたお父さんは普通に立ってすたすた歩き始めた 「あれ…。お父さん腰は…」 「そんなのとっくになおってる。いや~後継ぎができて良かったな」 僕はお父さんに騙されていた 全ては演技 僕をどうしても後継ぎにしたく毎日嘘の演技を繰り返していた 病院の先生にも腰のことを悪く言うようにと言っていた お母さんも寒がる演技をしていたようだ 「ふざけるな。くそ親父」 お父さんに怒鳴ったがもう遅かった
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