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トイレの扉は開かない。
急所は握られている。
俺は大きく深呼吸をして、ため息を吐き出した。
開き直った。
俺は両手をあげてブラブラと振り、そのまま床にだらしなく置く。
――トイレに引きずり込むなり、急所をもぎ取るなり好きにしろ。
口の中でつぶやき、白い手を睨む。
左手が目の前に伸びて来て、握りこぶしを作り、親指を天井にむける。
これって『ナイス』とか『良いよ』とかいう合図だよな。
これから命を取られるかもしれないのに、思わず吹き出した。
おかげで、肩の力が抜けて緊張感は全くなくなる。
そんな俺に気をよくしたのか、左手も股間に伸びていく。
右手は相変わらずモミモミ。
左手の人差し指が俺の先端にちょこんと触れた。
冷たい。
触れた指はそのまま裏筋を撫でる。
残り四本の指で棒を包み込む。
そのまま手の中にある大きさに合わせてゆっくりと上下を始める。
この動作は……いわゆる――。
これが綺麗な裸の女性ならともかく、目の前にある異常な長さの腕と冷たい手、背中の痛みで元気は『全く』ない。
しばらくもぞもぞと動いていたのだが、反応がなかなかないのを感じたのか、二本の人差し指が伸びてきた。
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