されるがまま

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腰が逃げたくとも、逃げ場なし。 代わりに足のひざが親指の動きに合わせてピクンピクンと、かすかな反応。 耳が熱い。 肌を擦れる音が聞こえてくる。多分、左手の上下運動が強くなり、少し早くなっているのだろう。 鼻息だけでは息が出来ない。 口をわずかに開けて息を始める。 親指が割れ目ににじみでたぬめりを周りに塗る。 周りを親指が這うたびに脳に爆発が起こる。 足だけではなく、腕もピクピクと痙攣を始める。 声が……出るっっ! 奥歯を噛みしめる。 だが、鼻からの呼吸では苦しい。 自然とだらしなく口が開く。 声だけはっ! 床に投げ出した両手を力強く握る。 右手が離れて――ぇっ?! 手の、ひらの、くぼみを、先に、当ててっ。 グルグルと、こねくり回し、て。 左、手の、うごっきぃぃ、と、違っ、て。 上下ぇっ、だっめ! おとっ、が、は、やぃ。 つょぃ、で、も、い、いっ。 ゆ、び、から、んでっ、もっ、と――。 あっ、やめ……やめ、や……やめ、なぃでぇぇぇ。 ――だぁっ。 こえっっ。 ――あぐっ、うっ、はっ。 気、もちぃぃ――。 もう――。 我っ、まっでき、な……。 ――ぁがっはぁっっ!! あっ、あっ……最後の一滴まで……ゆ、ゆっく、り搾り、取って。
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