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冬の真っ最中、クリスマス前。
コートを羽織ったところで、寒さが抜けない中僕はアルバイトに精を出していた。
休憩をもらい熱いコーヒーを少し口に入れた時、その知らせは飛び込んできた。
アルバイトの休憩を少し伸ばしてもらい、僕は今病院に来ている。
なんでも友達が窓から飛び降りたらしく、足の骨折で病院に運び込まれているらしい。
3階から飛び降りたのに足の骨折だけで済んだという友達を僕は少し尊敬した。
「お前実はサイボーグとか?」
「違いますー、普通の人間ですー」
フグのように頬に空気を入れてむくれる由美子に僕は失笑を禁じ得なかった。
「植木が下にあったから大丈夫だったんだもん」
今度は両指を突き合せながら口下手にしゃべっている。
「まぁ、この由美子様の身体能力をもってすれば着地もたやすい事なんだけど下に植木があったからあえてそれを利用しようとしたら……」
このまま放っておくと一人の世界に入ってしまいそうだから、サイドテーブルに置いていたジュースを差し出す。
少し不満気にしながらジュースを受け取り、ちびちびと飲んでいる。
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