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「庵来てくれてありがとね、バイトだったんじゃない?」
「気にしなくていいよ。それより由美子、どうして飛び降りなんか」
「学校!」
飛び降りた理由を聞こうとしたら途中で由美子が遮ってきた。
学校という単語にも、遮られたということにも眉をしかめると由美子が慌てたように片手を振っている。
「庵、学校には戻ってこないの?」
「由美子、それは終わった話だよ」
眉を下げて落ち込む由美子を見て罪悪感がないわけではないけど、僕は撤回する気にはなれず黙っている。
頭の中で学校にいた頃のことを思い出して、思い出したくなくて、頭を振って散らした。
「じゃあ僕もう行くよ。また来るから大人しくしてるんだぞ」
「了解ですサー」
軍人のように片手を上げて微笑み由美子を尻目に僕は由美子の病室を後にした。
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