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「……とわる」
「え、なに? なんていったの?」
「ことわるっ!」
「なんですってぇ!?」
「いいじゃん、いいじゃん! タイツのひとつやふたつ、どうだっていいじゃん!」(バタバタ)
「そうゆう問題じゃないの。アタシはあなたのヘンタイ化を防ぐために……」
「ヘンタイでわるいか! 昆虫だってな、変態を経てやがて成虫になるんだ。いいか、ヘンタイはな、子供が大人になるための変化に必要なんだよ。必要不可欠なんだよ! 大人の階段なんだよ! だから絶対にことわるっ!」
「!?」
姉は呆気にとられて口をつぐんでしまった。
それは弟の気が触れたかような意味の分からない発言に、そのなぞの威勢に、圧倒されてしまったからだろう。
では彼女は納得しただろうか?
いや、しなかった。
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