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「ああ、そうだが、で、浦部清次が俺に何の用だ?」
和矢が質問に答えたのに満足したのか、浦部は腕組みをして頷きながら言ってくる。
「お前はこれからどうするつもりだ?」
「さぁ? 取り敢えず此処から出るつもりだが」
浦部の高圧的な態度からか、はたまた和矢の無表情のせいか、さっきから人の視線が和矢達に集中している。
そんな中で、ある一人の少女が目に映った。
髪は黒の長髪でストレートに流し、整った顔立ちで、可愛いとも美人とも言えてしまう少女だ。
そんな少女と目が合ったがすぐに他を見る事にした。
「だったら、この僕が同行してやらんこともない」
浦部の話はまだ続いていたらしく、物凄く不快な言葉を詰むがれた。
「断る。いるだけ邪魔だ。消えろ蛆虫」
和矢はそれだけを言い残すと出口へ向かって歩き出した。
何だろう? が少女にとって最初の印象だった。一人の少年がもう一人の少年に高圧的な態度で話し掛けている。
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