第二十五運命 ひずみ

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 追跡が出来ない状況から、諦めたらしく刀を鞘に納めると踵を返す。  「そんな、そんな、そんなそんなそんなそんな、そんな事が」  「…………………………………」  杏香達の所に戻ると、二人の乙女は地に膝と手をつき、俯きがちに何かを口走っている。  杏香に至っては、ぶつぶつと聞こえない程の声音で何かを呟いている。  「………………おい」  思わず、溜め息を吐きそうになるのを堪え、和矢は前髪を掻き上げた。  「!! は、はい!!」  「……………は!! 火澄君?」  和矢の呼び掛けに跳ね起き、我に返る二人に、和矢は微笑を浮かべて言った。  「帰るぞ」  返事を待たず歩き出す和矢、その後を由紀と杏香が追う。  「あ、待って下さいよぉ~」  「はい!!」
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