第二十六運命 地下迷宮ウォークライ

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 ぴちょん、そんな音をたてて触れた何かが、鼻先を濡らした事で、気を失っていた柴珠は目を覚ました。  「うぅ、ここ、は?」  目を開けると、まず石で作られた天井が視界に映る。  次に、左右を確認する。左右にも石で作られた壁があるだけであった。  そして、反応の悪い身体をゆっくりと持ち上げていく。  「目覚めたか少女よ」  聞き覚えのある声がした後ろを振り向くと、フルフェイス型の仮面をした男が、壁に背を預け座っていた。  「刃!!」  その男、刃の姿を見た瞬間、重い身体を無視して跳ね起き、身構える。  「まぁ、待て少女よ。今の私には貴様と戦う意志はない」  「どういう事?」  座ったままの刃から殺意はおろか、敵意すら感じない事で、刃から離れた場所に柴珠も腰掛ける。  「簡単に言うならば、それどころではないと言う事だ。お互いにな」  「………それで?」  「ここはな、羽柴の奴が気紛れで作った地下迷宮だそうだ」  それがどうしたと思うが、柴珠は黙り刃の言葉を待つ。
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