第二十六運命 地下迷宮ウォークライ

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 思わず固唾を呑む柴珠の前に立ち、スッと手を伸ばす刃の姿に、柴珠も覚悟を決め、その手をとった。  「………………」  「火澄さん。そ、その、私重くないですか?」  背中越しから届く瑠奈の声に、和矢は溜め息を一つ漏らす。  「さっきから同じ事しか言ってないぞ」  「そ、そうなんですけど、その」  瑠奈の煮え切らない態度に、もう一度溜め息がついて出た。  地面の崩落に巻き込まれた和矢達は、今出口を探して歩いているのだが、歩いているのは、和矢と、和矢のやや後ろを歩く由紀だけである。  先程から、同じ事を繰り返し訊く瑠奈は、崩落の際、足を挫いてしまい、今は和矢におぶられている。  「それに、重いからと言って、下ろす訳にもいかないだろ。解ったら静かにしてろ」  冷たい感じに聞こえるが、それが、和矢なりの優しさである事を知っている瑠奈は、それ以上何も言う事はなかった。  二人の会話が終わるのを待っていたかのように、次は由紀が口を開いた。  「さっきから迷わず歩いてますけど、どこに向かってるんですか?」  「出口だが?」
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