第二十六運命 地下迷宮ウォークライ

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 「………………凄く惨め」  売れない芸人以上に惨めな現状に、うずくまり嘆く。  すると、どうだろうか、通路の先から一つの足音が聞こえてくる。  等々、幻聴まで聞こえてきたのかと、自身を憐れみながら顔を上げると、視線の先に人型のシルエットが見える。  (ああ、等々、幻覚まで見えるなんて、俺、もう駄目なんじゃね)  ましてや、見えたシルエットがフリフリのロリータとあっては、取り返しのつかない事になってるに違いない。  再び俯き嘆いていると、先程まで響いていた足音が途絶える。  次に、白のフリル付きスカートが、視界の端に映った。  「どこかいたいの?」  幼い舌足らずな声に顔を上げると、海兎は固まった。  「………………」  「だいじょうぶ、おにいちゃん?」  「あ、ああ、大丈夫、どこも痛くないよ」  少女の声で、我に返った海兎は、立ち上がると、ちょこんっと座っていた少女に手を差し出す。  「そうなの? なら、よかった」  少女は立ち上がった海兎の顔を見て、安心したように笑うと、差し伸ばされた手をとり、立ち上がる。
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