第二十六運命 地下迷宮ウォークライ

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 「ええと、俺は海兎、君の名前は?」  どうやら、虚しさのあまり、海兎が作り出した幻覚ではない少女に、自ら名乗ると、次に少女の名前を訊ねる。  「わたしは、ひな」  「可愛い名前だね。それで、ひなちゃんは、どうしてここにいるのかな?」  「えっと、いきなりじめんがなくなってね。おっこちちゃった。そしたらここに」  想像はしていた通りの展開に、海兎は頭を一掻きする。  「そっか、なら、一緒に出口を探そうか、ここは危ないかもしれないからね」  海兎の言葉に、ひなは一度、首を傾げ、まじまじと海兎を見詰めると、笑顔で頷く。  「うん。かいとおにいちゃんといっしょにいく」  ひなの笑顔に釣られ、海兎も微笑を浮かべると、ひなの小さな手をとり歩き出していく。  「……………」  「そんなに警戒しないでよ」  警戒心を隠そうともせず、杏香は黙々と歩いていく。  そして、その後ろを、苦笑いを浮かべ歩く女性の姿があった。  いや、女性と言うのは語弊があるかもしれない。  なぜなら。  「今は協力していても、何時殺されるか解らないんですから、警戒しない方がおかしいです」
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