第一運命 運命を視る者

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 和矢はその場から離れようと歩き出した。  「あ、あの、すいません」  「何だ?」  声を掛けられたので相手を見る。そこには先程目が合った少女と見知らぬ青年がいた。  「あの、私達と一緒に行動しませんか?」  「一人よりも複数でいた方が安全だと思うのだが?」  少女と青年が言う事は正しい。確かに訳の解らない場所で一人で行動するのは危険ではある。  「確かにな。だが、下手な奴と一緒に行動するだけで自分に被害がくる可能性もある。さっきのテンパみたいな奴とかな」  和矢が言う事もまた正しいのだ。下手な行動をされると自分に被害がくる可能性も十二分にあるだろう。  「人が出始めてきたな」  和矢は少年少女に背を向けて歩き出した。その後を少年少女が追って来るのを気配で感じとる。  「確かに、その可能性もありますが」  少女は言葉に詰まってしまった。  青年は先程から黙って歩いている。  歩いて暫くすると階段が見えたので下に降りる。  「なぁ、アンタは今回のことをどう思う?」  和矢は少女に問いかけてみることにした。  「今回のことですか?」
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