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「ああ、この建物といい、さっきの景色といい、宙に浮いていた仮面といい、謎だらけだろ?」
「……………」
気紛れに聞いただけなのだが、少女は深く考えてしまっているようだ。
「そうですね。ハッキリとは言えませんが神隠しではないかと思っています」
「アンタもか」
「貴方もですか?」
「ああ」
実際それが一番あり得る話だろう。
「私達がきた時の、あの青い光が瞬間移動の役割を果たすと仮定すれば、一ヶ月前の神隠しも説明出来ますし」
「そうだな、ソイツ等も此処に飛ばされていたと仮定すれば、手掛かりが無いのも頷ける」
(そして、先程のフロアの血の意味も……な)
「はい。見た限り同年代しかいませんでしたし、限りなく可能性が高いと思います」
話をしていると一階に着き、辺りを見渡すと出口があった。
和矢は出口に向かって歩き出した。
外に出て暫くして少女が話し掛けてきた。
「それで、先程の返事を聞かせて貰っても良いですか?」
少女が聞いてくる。
「ああ、悪いが」
「火澄貴様この僕が同行してやろうと言ってるのに断るとは何事だ」
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