第一運命 運命を視る者

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 現実においても、その個人がいる世界が現実であって、あり得ない事を非現実と呼ぶのではないか?  突飛な話しだが、普通の人間は魔法とか超能力を非現実と呼ぶだろうが、実際に魔法使いや超能力者からすれば、それは立派な現実ではないだろうか?  つまり、その個人個人の立場によって常識だの現実だのは変わるという事だ。  (そう言う俺の現実は実際に起きた事ならどんな事でも[現実]だ)  犯人が何人いようと、どんな手口を使おうとも、実際に百八十人の行方不明者が出ていて、尚且つ警察は手掛かりすら見つけていない状況というのが俺の現実であり、違う奴はまた違う現実をもっているのだから、何を話そうと意味は無いのだ。強いて言えば徒労に終わるだけだ。  そんな思考をしながら目を閉じると程よい睡魔があり、和矢は睡魔に身を委ねることにした。  「………もうこんな時間か」  目が醒めると外は真っ暗で、時計を見ると夜の十時過ぎだった。  (とりあえず飯くって、シャワーでも浴びるか)  シャワーも浴び、夕食を済ました時には十一時を廻っていた。和矢は食後の一服をしながら思考する。
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