第一運命 運命を視る者

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 「私はこの世界から唯一、現実に戻れる場所にいる。其処まで来てほしい。其処まで来れば諸君等を現実に帰そうではないか」  (この世界? 現実?)  その単語が妙に気になる。  「差し詰私は悪の魔王で、諸君等は勇者とでも言おうか?」  (なんだ? この妙な態度は)  「では勇者諸君と会える日を楽しみにしているよ」  ソイツが踵を返しもう一度喋る。  「そうそう、細やかながらプレゼントを用意しておいた。何時手にはいるか解らないが楽しみにしておいてくれたまえ。それではまた会おう」  それだけを言い残しソイツは最初から何も無かったかの用に消えた。  それと同時にこの場所を出る為の通路が出現した。文字道理出現したのだ。  まださっきの余韻でもあるのか喧しい声が聞こえているが、これを黙殺し思考する。  (ふむ、此処は俺達のいた世界では無く別の世界ということか? ……さっきの青い光といいなんだ?)  (解らない事を思考していても仕方がないな。情報が足りなすぎる。でも今、俺は此処にいるそれが現実だ)  それだけが解ればいい。  和矢は未だに騒がしい集団を冷めた目で見渡し一息ついた。
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