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―――極東支部アナグラ内。
普段からよく人が集まり賑やかなエントランスだが、今日は一段と人が集まっていた
「なぁなぁ、知ってる?イギリス支部から神機使いが異動してくるんだって」
「しかも2人って話だぞ」
「一人はイギリス支部最初の新型だって」
「でもなんでそんな貴重な新型が?」
「だってまだロシアから新型が来たばっかだぜ?」
「異動の噂で持ちきりですね。」
エントランスに設置されてるソファーに座って話をしていたが、嫌でも耳に入ってくる異動の話題にアリサは小さくため息を吐きながら正面に座る青年――イクスに話しかける
「そうだね、どんな人達なんだろう。…コウタは何か知ってる?」
イクスは純粋に興味があるようでアリサの言葉に反応しては隣に座る人物に何か知らないかと尋ねてみた
「フッフッフッ……俺を誰だと思ってるんだいイクス君。もちろん知ってるに決まってるじゃないか」
コウタと呼ばれた少年(と呼べるギリギリの歳ではあるが)はどうだと言わんばかりに胸を張り、大げさな反応をしては情報を持っていると告げる
「え、なになになに?」
「コウタの事ですから、どうせ大したことじゃないですよ」
「酷ッ!!アリサって俺に冷たくね?!」
「気のせいじゃないですか?」
ここ最近よく見られるようになったコウタとアリサの会話。
ほとんどがアリサがコウタに悪態と吐いてコウタが過剰反応をするというもの
…まぁ、コウタの大げさな反応は場を盛り上げるためのものなので密かに感謝していたりもする
その証拠に、アリサも初めに比べて話すようになってきた
「あははは。で、コウタ先生、肝心の情報は?」
「待ってましたぁ!!俺の情報だと、新型は女で、旧型は男。あと、イギリス支部で第一部隊所属だったらしいよ」
「へぇ…、」
正直あまり期待していなかっただけに、コウタのもたらした情報は驚くに値した
今のところ出回ってる情報といえば“イギリス支部からいきなり新型と旧型が異動になる”くらいなものだった
一体彼はどこで情報を仕入れてくるのだろう?
「第一部隊?ちょっとコウタ…その情報は本当なんですか?」
アリサが第一部隊と聞いて驚きに目を見開き尋ねる
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