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(イギリスかぁ…姉さん達元気かなぁ。)
「おうマジマジ。んで、なんかこっちに家族いるらしいよ」
コウタの話を聞きつつ、自分がまだ幼いころに仕事が決まったからと一人イギリスに残った姉と親友を思い出していると、少々気になるワードが出てきた
「こっちって?」
「極東支部にいるんだってさ」
(……ん?…まさか、ね)
まさかそんなわけがないと頭に浮かんだ考えを振り払っていると
「…あの、すいませんイクスさん。女性の方がお呼びですよ?」
声をかけられ、振り返るとカノンが立っていた
「え?女性…?誰?」
「え?えっと…イクスさんの知り合い、とのことですけど…」
「知り合いって…」
女性の知り合いなんて随分大雑把な情報だなぁとやや困りつつも、正直そこまで顔は広くないので母かと考えるが、それなら“知り合い”ではなく“母”と名乗るはずなので除外。
その女性の特徴を聞いてみると、少し考えてから「あぁ!」と思いついたように自らの髪に触れ
「私と同じような桃色の髪が印象的で
ガチャーン!!!!!!
「桃色の…髪…?」…あ、あの…イクスさん…?」
桃色の髪…知り合いだと名乗る女性…
顔から血の気が引くのがわかる
心当たりがある、というか該当する人物が一人だけいた
「その人…どこにいる?」
「エントランスのドアの向こうに」
カノンの言葉を最後まで聞くことなく立ち上がり駆け出していく
「ん?イクス?どうしたんだよって…おい!!」
「どうしたんでしょう?」
「と、とにかく追いかけようぜ!」
突然立ち上がり駆け出したイクスに驚きつつも、後を追いかけることにした二人は立ち上がりイクスの向かったエントランスのドアに向かっていった
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