奇跡のはじまり

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あれ…。あたし、誰かに抱っこされてる? 誰かが助けてくれたんだ…。 そう思ったら、だんだんと意識が遠退いていった。 俺は、がむしゃらに走った。この子を救わなきゃ、その一心で走った。 辿り着いた先は、ナースステーションだった。 「誰かいませんか!?」 誰もいないのか!? 「どうされました?……って、花鈴ちゃん!?」 その声は、百合さんだった。 「すぐに、こちらへ!!」 俺は、彼女を病室へ運ぶと、廊下で彼女の無事を祈っていた。 病室へは、慌ただしく看護師が出入りしている。 そんなに深刻なんだろうか。 ふと、時計を見ると、予定の時間を大幅に過ぎていた。 このまま、会わずに帰ろう。心配だけど、大丈夫だろう。 俺は、このまま会社へ向かった。
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