仲間……。

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「え?」 それって……まさか。 あたしは秋津をジッとみる。 「……こんな時に理不尽かもしれませんが俺は貴女が好きなんです」 突然の秋津の告白。 まさかこんな展開になるとは……。 「…………」 正直、秋津の告白にあたしは戸惑っていた。 「貴女からしたら頼りない部下程度しか思われてないかもしれませんが俺は本気です」 耳まで真っ赤にして秋津は言う。 こんな臭い台詞を言えるのは秋津だからだろう。 「……それ終わったらご飯に行こうか? 差し入れしちゃっけど……」 『秋津をもっと知りたい……』とこの時素直に思った。 「それって……」 あたしの答えに秋津は明らかに期待している。 「デートよ。 デート。 まずはお互いを知らなきゃね」 あたしは秋津の期待を裏切らないように、顔を赤らめながら言う。 「あはっ。 よし! 頑張るぞ!」 あたしの言葉で秋津は一瞬驚いた顔をしたが、どうやら気合いが入ったようだ。 「フフフ……。 現金ね」 あたしははりきる秋津を見て笑った。 何だか久々に穏やかに笑ったような気がする。 ありがとう、秋津。 苦手だと思っていた秋津に色々教えてもらった。 秋津は年下だし、部下だし恋愛対象外だと思っていた。 秋津の気持ちを聞いて秋津の気持ちに触れたあたしの心境は変わった。 これからはもっと秋津にも他の人にも優しくなれるかな……。
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