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「……ホントはあたしが言わなきゃいけないのにね」
あたしが皆を守らなきゃいけないのに、セクハラを許している自分がいた……。
情けない……。
「気にしないでください。
俺のプライドが許さなかっただけですから」
そう言って秋津は優しく笑った。
「いつもガミガミ言ってごめんね」
謝りたかった。
秋津の純粋な笑顔を見ていたら謝りたくなった。
「いつも的確に言ってくれる冬野主任のお陰で俺はクビにならないでこうしていれるんです。
だから謝らないで下さい」
秋津はあたしに気を使いながら言う。
「あたしはシングルマザーであたしの母親、教育ママだったの。
だからあたしを完璧にしたかった母はいつもあたしを叱ってた。
あたしはママの人形じゃないっていつも思ってた……」
あれ?
何であたし秋津にカミングアウトしてるのだろう……。
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