はじめに

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さすがの主人もこの事には激怒した。 何しろ、主人が少ないお金で長いローンを組んで買ったものである。 うちは将来、店を出すために今は節約して生活をしている。 主人も片道、電車で45分の距離を朝早くから夜遅くまで通って仕事に行っている。 近場でも仕事はあるのだが、給料が違うため、わざわざ遠くまで通っているのだ。 その主人が唯一の趣味としてやっているのが将棋。 「レティ!お前、なんてことをしてくれたんだ!」 日頃怒ることのない主人に叱られたためか、レティも項垂れている。 レティが甘えて側に寄っても主人は怒っていていつものように膝に抱いたりしない。 その夜はレティを隣の部屋に追いやって早々と寝てしまった。 .
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