115人が本棚に入れています
本棚に追加
のぶとしはまだ生まれて間もないので、布団に寝かされっぱなし。
レティは主人にこの部屋に入ったらいけないと言われてから、ピタッと入らなくなった。部屋のドアを開けておいても、入り口の側の階段の踊り場に座ってこっちを見ている。
お乳を与えてる時も、オムツを代えている時も、何をしていても入らなかった。
それどころか、私たちが店にいる時にのぶとしがぐずりはじめると、急いで私たちを呼びに来た。
「レティ、教えてくれてありがとね。」
そう言って誉めてあげると嬉しそうにしっぽを振った。
さらに、のぶとしを見に親戚が来たりしてのぶとしをだっこしようとすると、低い声で
「ううぅー」
と威嚇するのだ。
親戚のおじさんはびっくり。
「いいのよ、レティ。のぶとしを可愛がってくれてるんだから。」
そう言うとレティは唸るのをやめて、また踊り場に座り込むのだった。
こうしてレティはいつの間にか、すっかりのぶとしの子守り犬になった。
.
最初のコメントを投稿しよう!