後継ぎ

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ちょうど下腹の辺りがボコッと膨らんでいる。 綺麗なレティの体のラインがみっともなく見える。 私は主人に言った。 「ねえ、なんかレティのお腹、おかしくない?」 「うーん?なんだろな?」 私たちは二人揃って首をかしげた。 そのうちレティが妙な事を始めた。 2階にあるビニルロッカーの中に何かの《場所》を作っているのだ。 何してんのかな? その時、私ははっとした。 「お父さん!レティ、妊娠してるんじゃない!?」 「え?そんなバカな。レティは家犬だぞ。どうやって………」 そこまで言って主人は驚いたように大声を出した。 「まさか―――、あの時か?」 私は頷いた。 あの時。 レティが脱走した時だ。 確かレティはあの時、発情期だったはず。 夕方に帰ってきたが、その時のレティの 満足したような顔。 .
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