後継ぎ

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「お兄ちゃん、ちょっとお母さん、お店見てくるね。レティを見ててくれる?」 「ねえ、赤ちゃん、触ってもいい?」 「いい?」 子供たちは目をキラキラさせて聞いてくる。 初めて見る生まれたての赤ちゃんにドキドキしているようだ。 私はレティを見て言った。 「うーん、今はレティが抱っこしてるから、また後でレティがいいっていったらね。」 「解った~。じゃあ、ここから見てていい?」 「まいも!」 「うん、いいよ。じゃあ、お願いね。」 私は部屋を出て店に戻った。 店はちょうどお客さんが帰ったところだった。 「可愛かったろ?」 主人が言った。そしてちょっと悲しげにこう言った。 「あの仔たちもちゃんと葬ってやらなきゃな。」 「うん、動物霊園に電話しなきゃね。」 主人はそのままタウンワークを広げて近くの動物霊園を探し始めた。 .
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