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私は主人に動物霊園を任せて、もう1度子供の部屋に行った。
名前、つけなきゃね。
私はどんな名前にしようかとワクワクしていた。
レティの時に主人に危うく《ポチ》とつけられそうだったので、今度は先につけなくちゃね。
でも
うちは2匹も飼えないよね。
多分、生まれた仔犬は誰かにあげることになるだろう。
だから今、名前をつけてもしょうがない。
私は子供部屋に入った。
子供たちはパッと私の方を見た。
「のぶくん。赤ちゃんはどうしてる?」
「おっぱい飲んでたよ。ねえねえ、レティってお母さんなの?」
「お母さんなの?」
娘も真似して聞いてくる。
「そうよ。赤ちゃん、寝ちゃったかな?」
私はそう言って傍らを見る。レティの先の子供たちが寄り添って眠るように並んでいた。
「お母さんかぁ。」
息子は感心したように言った。
私はまだあげることは言わないで、息子に名前のことを言った。
「名前、つけなきゃね。」
「名前、もうあるよ。」
「へ?」
私は驚いて息子を見た。息子は得意げに言った。
「《ちっぽ》だよ。」
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