後継ぎ

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え? 《ちっぽ》? 「ええ―――?」 私は思わず大声を上げた。 《ちっぽ》って何? 誰がつけたの? 私ははっとして息子を見た。 息子は得意満面な笑顔を見せている。 隣では娘が早速(ちっぽ)と呼んで背中を撫でていた。 「ちょっと待って。ち、ちっぽって誰がつけたの?」 私が聞くと娘が言った。 「お兄ちゃん!」 そんな……… ちっぽって……… そう言えば息子は《ドラ○もん》に夢中だった。 その映画作品の中に犬の王国の出てくる話があった。その犬の王国の王子様の名前が《ちっぽ》だったような……… こうして《可愛い名前をつける》という私の計画はあっさりとうち壊されてしまったのだった。 .
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