後継ぎ

15/38
前へ
/226ページ
次へ
「でも1匹でも無事で良かったな。」 レティの赤ちゃんはもうお乳にしゃぶりついている。 主人に目で合図されて私も立ち上がった。 「のぶくん。ちょっと下に行った来るね。」 「その赤ちゃん、どうするの?」 息子が聞いた。 「ん……、このこたちは天国に行っちゃったの。だから明日、神様が連れていってくれるのよ。」 「ふぅん……。」 息子は不思議そうに頷いた。 私は主人と店に出た。 お客さんはいない。 今日は夕方まで客は切れそうな気がした。 日曜日は大体このパターンが多い。 天気が良いと昼間は遊びに行く。 だから行く前の午前中と帰って来た夕方以降が忙しくなるのだ。 1日中仕事の日も勿論あるが、今日は典型的なそのパターンだった。 主人が仔犬の遺体が入った箱を事務所の机に置くと助かったもう1匹の赤ちゃんについて聞いてきた。 .
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加