愛しのレティ

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なんとなく不安な夜を過ごして、翌日は午後からレティを迎えに行った。 レティはゲージの中でじっとしていたが、私を見るとしっぼを振って立ち上がった。 赤い包帯をしていた。お腹全体にぐるぐると。 「とりあえず目に着くものは全て取り除いておいたから。」 お医者さんは続けた。 「でもすごく小さくて肉眼ではわからない物は取れなかった。そっちが育たないといいけど。それと、この包帯はまだ取らないでね。」 「どれぐらいですか?」 「2、3日で大丈夫。それとこの子の仔犬がおっぱいを吸わないようにね。」 「は、はい。ありがとうございました。」 私は礼をいって治療費を払い、レティを抱いて車に乗った。 レティを助手席に座らせるとシートベルトをして車を発車させる。 病み上がりのレティが心配でいつも以上に気を使って走った。 レティは助手席でうずくまるように眠っていた。 .
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