はじめに

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事情を聞いた吉野さんは笑いながら言ってきた。 「馬鹿だなぁ、としあき。そういう時は叱ってやればいいんだよ。 でも、その場で叱らなきゃダメだぞ。」 レティはまだ生後5ヶ月。叱らなきゃとは思っていても、あの愛くるしい瞳で見つめられると、ついつい甘やかしてしまう。 「うーん、そうだなぁ。」 主人が腕組みをして唸っていると、 「あっ!」 吉野さんが大声を出した。 振り向くと、レティがフローリングの上にまた粗相をしていた。 「レティ!」 主人が慌てレティを抱き上げようとした。 だが、吉野さんは素早くスリッパの片方を持って 「レティ!これはなんだ!?」 と言ってレティの鼻をオシッコに近づけて、パシーンと思い切りレティのお尻をスリッパで叩いたのだ。 「キャゥン!」 レティは驚いてシッポを隠してその場に座り込んでしまった。 そしてそのまま、怯えてた目で吉野さんを見た。 私と主人は突然のことにポカーンと口を開けたままだった。 .
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