はじめに

9/18
前へ
/226ページ
次へ
「な!こうすりゃいいんだよ。」 吉野さんは満足そうにしている。 だがレティはそれ以来、吉野さんを見ると私たちの後ろに隠れるようになってしまった。 もともと犬が好きな吉野さんはうちのレティに恐れられたことに、しっかり凹んでしまった。 何しろ、吉野さんがどんなに猫なで声でレティを呼んでも、レティは私たちの後ろに隠れてしまう。 吉野さんが主人の大切なお友達だと知っているのかは解らないが、吉野さんが来ても吠えたり威嚇したりはしないが、とにかく怖がっていた。 レティが初めて人を「怖い」と認識したのは吉野さんなのである。 ちなみに、主人はレティが天国へ逝くまで1度もスリッパでお尻を叩くことはなかった。 .
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加