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「それでも尚、そんな夢想を願うのかな?」
…………。
「……そうか、ならばいい。その身に余る夢想を描く先に何が待つか。まあ、見守らせてもらおうかな」
…………。
「ああ、そうだよ、少年。キミに力を貸してあげよう。何、難しいことは言わんさ。往きたいように生きればいい」
…………。
「私の名前? そんなものを聞いてどうする。所詮、私とキミの繋がりなど、キミが今後紡いでいくものに比べれば塵のようなものだよ、少年。だが、そうだな。……キミの名前くらいは聞かせてもらおうか」
…………。
「ほう。良い名じゃないか。大事にするといい。……何、私の名前? だから、聞いたところで得など……ふむ、まあ、確かに損もないが。……わかった。いいだろう。キミと私は共犯者でもある。名乗りくらいはしておこうか」
…………。
「私の名は、藤堂宗一だ。何、覚えなくていい。明日にでも忘れてしまえ。そのほうが互いのためだ」
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