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《ちから》が認知されたのは、いつからだったのかはわかっていない。
地方によっては《魔力》とも《霊力》とも《神通力》とも《巫力》とも誇称されるそれは、文字通りの『力』だった。
大きさの差こそあれ、あまりにも便利であったその力は、人々に様々な恩恵をもたらした。
様々な外敵から身を守るその力は、人間の文明を発展させ、大いに栄えさせた。
しかし……何の、因果か。
万物の霊長、その驕りを抱いた人間に対し、神が怒りを向けた。
文明が……崩壊する。
築いてきた全てが、一度に失われた。
繁栄の時代の終焉。
神代の時代ともされるそれが閉じたことは、人類に大きな打撃を与えた。
しかし、神は慈悲も忘れなかった。
確率……一万分の一。
人類全てが《ちから》を宿していた時代に代わり、数は減ったが……まだ、その力を有する者が現れたのだ。
新たな繁栄の時代。しかし、世界はあまりにも争うことを続け過ぎた。
神代の時代、かつては並び立つことができたはずの者たちが、槍を、剣を、銃を突きつけ合う時代。
あまりにも、遅過ぎたのだ。
そして……今。
かつては人類の繁栄を約束した《ちから》が、今や世界を血に染めているーーーー
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