もう一つの意志

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「あっきれた!  普通は隠してコソコソ生きるモノよ?  自分から『疫病神』ですって名乗るようなモノじゃない!」 女性はせせら笑い、やはり侮蔑の言葉を竜胆に吐きかけたが…… 「そうかい?  なら聞くが、その『疫病神』に頼ってビースト退治してるのは何処のどいつだ?」 Willisによるビーストの討伐はとても効率的だ 軍人がビーストの討伐をすれば時間は掛かり、何よりも必ず人的被害が出る…… 「それは……  ど……道具は使った方が良いじゃない!」 苦し紛れに言った一言は人の存在を冒涜する言葉…… 己を守る為の攻撃の言葉…… 流石に道理の通らない言葉だと思ったのか…… 女性の目は少し泳いでいた 「ははは、道具か……」 少し笑った後、竜胆は前を歩き始める 「ひっ?!」 怒りを買ったと思ったのか、女性と野次馬は怯んでみせるが…… 「俺達がビーストってんなら……  てめぇらは心根がビースト【化け物】だな……  心まで腐るよか、俺はWillisで充分だ」 そう言うだけで歩き出した 「ほら、お前ら、行くぞ!」 「はいっ」 いつの間にかWillis二人を引率しながら…… 「すみません……」 少し離れた路地裏で三人は居た 「なんか自分ら……  迷惑かけちゃったみたいで……」 二人のWillisは流石に頭が冷えた様子で竜胆と話している 「なぁに、気にすんな」 話によれば、二人は竜胆の見立て通り…… Willisになってから二週間程度だった しかも外見とは全く違い、実年齢は16前後と若い…… 「Willisになった途端に一気に身体が熱くなって……  気付けば……」 「あぁ……  成長する方にWiLLが適応しちまったんだな……」 そして年相応の興味が働く対象に向かってしまったと……
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