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『ふぅ…』
このクラスにまともな人間なんているのか…?!
ため息の回数がどんどん多くなる。
今日は何回ため息ついたっけ…
もう、苦笑いさえこわばっている。
次は…聞きたくない(ry
山岡「はい、じゃあ次は飯田さんねー」
山岡先生はそんな俺の心の叫びを残酷なまでにスルーした。
飯田「えー…あ、はい。」
近くから声がしたかと思うと。
予想どうり近くの席から1人の女子が立ち上がった。
…ん?
あれじゃね、たしか…えーっと…
平野「あ、穂乃花ww」
そう、それっ!
この、平野ってやつ蹴ってた女子か!
ちょっとめんどくさそうに飯田穂乃花(だっけ?)は話し始めた。
飯田「出席番号3番飯田穂乃花です。好きなものは…ジャンプ!」
えっへん、と胸を張って飯田は言った。
そーいえばあの時もジャンプ好きって言ってて
平野がツッこんで、
平野が蹴られて…
…あれはもう思い出さないでおこう。
頭の中のプレイビューを必死にかき消した。
でもまあこう見ていれば普通のおとなしい女子だが…
思いかけていた矢先、1人の女子が声をかけた。
奇「穂乃花は人を殴ることが趣味だよねー」
飯田「ッチ…あ゙ぁ!?」
あ、嘘。
前言撤回。
めっちゃ怖いっすはい。
とりあえず自分の身の安全のために聞いてないふりをしておいた。
山岡「はいはい、じゃあ次は石堀さんねー」
…このクラスをまとめている山岡先生も普通じゃないんじゃ…!?
もはやそんな考えまで頭に浮かんできた。
石堀「はい。」
次に立ったのはやっぱりおとなしそうな女子だった。
でもやせ気味…?
手首折れそうで怖いぞ、オイ。
そしてその直後先ほどの飯田の記憶が脳裏によみがえった。
まさかこいつもなんてことは…っ!?
そんな考えも知らずに石堀は静かに話し出した。
石堀「出席番号4番、石堀優花です。好きなことはバレーボールと習字です。」
『おぉ…』
よ、よかった。
今度はまともっぽい…!
安心からか無意識にホッと胸をなでおろしてた。
このクラスにもまともなやつがいる…!
希望が見えてきたぞ!
のちにこの考えは早々と崩れ落ちることとなった。
石堀「まあ、頑張ってねww」
『…え?』
少し笑って石堀は席についた。
あ、そういうことか。
思い出したよ。
「まとも」なんて言葉はこのクラスには存在していないのだ。
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