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下町の、今はほとんどがお店を閉めてしまった商店街。
そんな中、何件かお店を開いているが、その中に一軒の人形屋があった。
その人形屋から若い男の子が出てくる。
その子はのれんを出すと、空を仰いだ。
「今日もいい天気だな。」
そんなことを言いながら、お店の中から一体の人形を出してきた。
その人形は、人間の大きさぐらいある、女の人形。
きれいにちゃんと、着物を着ていて、髪の毛にはかんざしが付いていた。
そんな人形には綺麗に、お化粧がしてある。
そんな人形の髪の毛をなでると、ひとりごとのように少年は言う。
「今日もきれいな 空が見えるよ。綾。」
その少年は、綾という人形をお店の外において、店の中に戻っていく。
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